焼却炉から考える放射性廃棄物処理問題の未来

放射性廃棄物の処理は最終処分場や中間貯蔵施設、管理型処分場の建設地問題で大きな進展が見られない。現実的な手法はないか検討しています。

開閉所農林業系廃棄物処理業務( 減容化処理 )の入札公告に関連して

 

 

10月21日(水)新たな減容化処理施設の入札公告が行われた。

開閉所農林業系廃棄物処理業務(減容化処理)の発注について(お知らせ)[福島環境再生事務所]:環境省

入札公告のタイトル通り、“農林業系廃棄物”の処理を行うための施設の様である。

 

 

概要には

 

 

“島県内においては放射性物質に汚染された農林業系廃棄物が大量に発生しており、早急に減容化処理に取り組むこと”

 

 

が課題として挙げられ、

 

 

田村市川内村にまたがる東京電力株式会社南いわき開閉所敷地内の一部に1日の処理能力60トン程度の仮設焼却施設を建設し、県内24市町村内の農林業系廃棄物を焼却処理して減容化する”

 

 

ことが事業の内容と説明がある。

 

 

また、タイトル通り、処理対象物は「稲わら、牧草、牛ふん堆肥、ほだ木・きのこ原木等」とされており、これまでの減容化処理における焼却炉の炉形式でいうと流動床式の焼却炉が適していると言える。

 

 

 

これまでにも、農林業系廃棄物の処理は課題として挙げられていたが、概要に記載するにとどまり、実証事業以外で環境省直轄の事業名に『農林業系廃棄物』が明記されたのは初めてではないだろうか。

 

 

林業系廃棄物の処理といえば、以前に書いた鮫川村の減容化実証事業があげられる。

nofukushima2020.hatenablog.com

 

前回も指摘した通り、日立造船が事故を引き起こした仮設焼却炉だが、今度こそ事故のない安心・安全な施設の施工・運営を行う会社を選択したいところだ。

 

 

また、環境省が課題として認識している通り、早急に減容化処理に取り組まなくてはいけないといった観点では、工期を含めて滞りなく施工・運営が行えることも重要な点ではないだろうか。

 

 

例えば、現在建設中の飯館村蕨平地区の減容化処理事業では、2013年12月16日に公告が行われた際の予定では、仮設焼却炉の運転開始は平成26年度末を予定していた。

 

http://www.vill.iitate.fukushima.jp/saigai/wp-content/uploads/2013/06/24b61e814a407fdaa729a76c651ef104.pdf

 

 

 

しかし、その後の公表資料では、平成27年秋頃目途に運転が開始される予定と変更されている。

http://shiteihaiki.env.go.jp/initiatives_fukushima/pdf/06_01_01.pdf

 

 

 

もうそろそろ11月に入るが、未だ運転開始の情報は出ていない。

実際にはどうなっているのか。

 

 

事業を受託したのは、

 

■仮設焼却炉:IHI環境エンジニアリング、日揮熊谷組

 

■仮設資材化施設:日揮太平洋セメント、太平洋エンジニアリング、日本下水道事業団農業・食品産業技術総合研究機構国際農林水産業研究センター

 

 

上記の企業群だ。

 

 

これまでの減容化施設の受託事業IHI環境エンジニアリングの名前が出てきたのは初めてであるが、これまでの実績はどのようなものであろうか。

 

 

WEB上から情報を収集しようとしても、最近の新規施工の実績が拾えず、焼却施設の運営委託を複数の自治体で受託しているようである。

 

 

減容化事業を急いでいるのならば、予定通りの工期で滞りなく建設を行う企業に委託したいものである。