焼却炉から考える放射性廃棄物処理問題の未来

放射性廃棄物の処理は最終処分場や中間貯蔵施設、管理型処分場の建設地問題で大きな進展が見られない。現実的な手法はないか検討しています。

2015-01-01から1年間の記事一覧

減容化事業の入札結果や運用情報 | 隠される真実

12月10日(木)に入札されたはずの開閉所農林業系廃棄物の減容化処理施設の受託事業はどの事業者が入札したのだろうか。 結果が表に出てこないので、気になる。 何故入札結果等の情報は一般に当然のように開示されることがなく、一般国民が強く情報取得の意…

開閉所農林業系廃棄物処理業務( 減容化処理 )の入札公告に関連して

10月21日(水)新たな減容化処理施設の入札公告が行われた。 開閉所農林業系廃棄物処理業務(減容化処理)の発注について(お知らせ)[福島環境再生事務所]:環境省 入札公告のタイトル通り、“農林業系廃棄物”の処理を行うための施設の様である。 概要には “島県…

放射性廃棄物の減容化事業はPFIの基本理念と馴染むのか?

前回、福島県の減容化処理施設の競争参加資格について書いたが、( 仮設焼却炉の受託事業 | 競争参加資格における施工実績の期限 - 焼却炉から考える放射性廃棄物処理問題の未来 )そもそも一連の減容化施設の建設に関してどのような入札方式をとっているの…

仮設焼却炉の受託事業 | 競争参加資格における施工実績の期限

これまでの入札公告資料をざっと目を通すと、気になる基準が設けられている。 競争参加資格に明記されている “平成○○年度以降に、本業務で提案する仮説焼却炉と同程度の規模(1炉当たり○○○トン/日)廃棄物の処理及び清掃に関する法律第8条第1項に掲げる施…

シビアアクシデント対策の在り方 | 鹿児島県薩摩が川内市の原子力発電所の再稼働について

2015年8月11日(火)に九州電力が管轄する川内原子力発電所が再稼働した。 2013年9月15日(日)に国内で唯一稼働していた関西電力大飯原子力発電所の定期検査による停止で国内50基すべての原子力発電プラントが停止して以来、実に695日ぶりに原子力発電所が…

川内村の仮設焼却施設建設でいったい何が起こっているのか

2015年7月23日(木)付で「南いわき開閉所における仮設焼却炉受け入れ表明に対する抗議および公開質問書」と題した質問状が、“放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会”から福島県川内村の遠藤雄幸村長宛に送られた。( http://gomif.blog.fc2.com/blog-entry-…

日立造船運営の鮫川村仮設焼却炉事故とは何だったのか

2013年8月29日(木)いつものように8時ごろ、傾斜式回転床炉の運転準備を開始した。 8時3分…排風機の運転を開始。 8時10分…バーナーに着火 9時ごろ…焼却対象物( 牧草60%、稲わら40% )を投入し、定格( 毎時190Kg )を目指して焼却を開始。 その後、14時過…

放射能濃度は経時減衰する? 30年後の試算から現状を認識する

前回7月24日取り上げた、除去土壌に関する件とは別に7月21日の検討会で公表された資料には、「放射能濃度毎の経時変化」といったグラフが記載されていた。( https://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/investigative_commission/pdf/proceeding…

“除去土壌”とは? 汚れた土の再利用よりも、汚れが落ちるまでに着目せよ

7月21日(火)環境省は“中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会”なる会を立ち上げた。 ( http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150721/k10010161211000.html ) インターネット上では、 “こうやってじわっとじわっと日本全土をごみ処理場にし…

濃縮率から今後の廃棄物処理を検討せよ

何度か「濃縮率」という単語が登場している。 環境省のガイドラインによると「災害廃棄物の焼却処理に関する評価」において「災害廃棄物を焼却した際に発生する飛灰中の放射性濃度の算定方法」がある。 ( https://www.env.go.jp/jishin/attach/memo20120111…

RADIEX2015で語られた減容化の重要性

現在、都内で開催されている「RADIEX2015 環境放射能対策・廃棄物処理国際展」( https://www.radiex.jp/ )は、放射能に関連する技術進歩に関する展示会である。 今年の開催趣旨には、“中間貯蔵施設の建設を中心とした「廃棄物処理ゾーン」に力点を置き、安…

焼却炉の比較とこれまでの実績

実際に指定廃棄物を減容化するにあたって、「焼却」といった方法が用いられる。焼却とは言っても、福島県内の指定廃棄物の焼却のために建設された事例を調べてみると ストーカ式…ストーカ炉 流動床式…流動床炉 傾斜回転床式…傾斜回転床炉 ガス化溶融式…シャ…

放射性廃棄物の実態とは

具体的に放射性廃棄物質がこれまで、どのように定義され、どのようなプロセスを経て処理されてきたのか、大枠を理解しておきたい。 一般的に放射性廃棄物とは、電気事業連合会( http://www.fepc.or.jp/nuclear/haikibutsu/ )によると“原子力発電所の運転な…

原子力発電所の再開の有無ではなく、今後の福島をどうするかを考えよ

2011年3月11日14時46分、ちょうど都内の会社の中にいたので、何が起こっているのか正直わからなかった。ただ、揺れたことは事実だった。すぐに第一報がモニターに映し出され、震源地は理解した。しかし、これほどまでに日本全体が大きな岐路に立たされるとは…